■経歴
1983年生まれ
2011年弘前大学医学部卒
大学卒業後、育児を経て一般内科医として勤務。公衆衛生分野にも携わり、感染症対策や健康づくりにも従事。
国立医療科学院や結核研究所での研修も積んでいる。
主な所属先
日本感染症学会
日本内科学会
日本公衆衛生学会
目次
AGA(男性型脱毛症)は、一度は耳にしたことがあると思います。では女性の薄毛、FAGA(女性男性型脱毛症)はご存知でしょうか?
FAGA(ファガ)は女性における薄毛症状の1つです。名前が似ていますが男性のAGA (男性型脱毛症)とは、原因も症状の現れ方も異なります。また女性の脱毛症である”びまん性脱毛症”とも異なります。今回はそんなFAGA(女性男性型脱毛症)について詳しくご紹介します。
FAGAとは、「Female AGA」の略称で女性男性型脱毛症と呼びます。FAGAは主にホルモンバランスの乱れが原因で現れる症状で、更年期前後の女性ホルモンの減少によって目立ちやすくなります。女性ホルモンは発毛を促進する作用があります。このため、女性ホルモンの分泌が低下すると、発毛を促す作用も低下してしまうのです。つまり更年期障害の出る45~55歳以降の年齢の女性であれば、FAGAになる可能性はあります。
同じホルモンバランスの乱れが原因となる女性の薄毛の症状では、「びまん性脱毛症」があります。びまん性脱毛症は女性の薄毛症状の中で最も多くみられる症状となっています。
FAGAとびまん性脱毛症では、症状の現れ方の特徴に違いがあります。次で詳しくご紹介します。
FAGA(女性男性型脱毛症)の症状はAGA(男性型脱毛症)とは異なり、生え際の後退があまり見られません。また、全体的に薄くなっていく「びまん性脱毛症」とは異なり、はっきりした薄毛の部位があるのが特徴です。FAGAは基本的に更年期前後の女性に現れる症状のため、若い女性には表れにくいのも特徴です。ただし、ストレスや若年性更年期などで女性ホルモンの分泌が長期間にわたって低下するとFAGAを発症する可能性もありますので注意しましょう。
FAGAの進行パターン
初期段階ではパサつきやうねりなど、脱毛症状は現れていないものの髪質の変化が現れます。やがて、だんだんと髪が抜け始め、次第にボリュームが落ちてきます。その状態のままにしておくと、さらに進行し、一部分が薄くなってしまうのです。このような症状のどこかに当てはまる場合、FAGAの可能性があります。
FAGAは専門家の診察受けると間違いがないのでおススメです。しかし、中には病院に行くのは少し気が引けるという方もいるかもしれません。
そんな時はこのチェックシートを活用してみてください。ABそれぞれ両方に1つずつ以上当てはまると、FAGAもしくは、予備軍の可能性があるので早めに対処しましょう。
あくまでも簡易のチェックシートなので、結果を保証するものではありません。該当をする場合・気になる場合は専門クリニックを受診しましょう。正しい診察結果を知ることで、正しい結果を得ることができます。
もしFAGAの症状が現れてきていると感じるのであれば、まずは個人でできるファーストケアを行いましょう。進行を進めてしまわないためにもセルフケアを行うことは大切です。
しかしFAGAはホルモンバランスや加齢によって訪れる薄毛症状です。そのためセルフケアだけでは満足いく結果が得られないことも。食生活や睡眠など、身の回りのケアをしっかりと行ってもし改善の兆しが見られなければ病院で相談しましょう。
抜け毛や薄毛が目立ってきたからといって、FAGAと判断するのはまだ少し早いです。他の脱毛症の特徴を理解してから判断しましょう。
女性の円形脱毛症では、頭部に10円玉サイズの大きさの脱毛が生じます。いわゆる10ハゲと呼ばれるものです。原因にはストレスや自己免疫疾患が考えられて、脱毛が進行してしまうと、複数箇所に10円ハゲができ、ひどい場合だと全身の毛が抜け落ちることがあります。
長期間に渡って髪を結んでいたり、ずっと同じ髪の分け目でいたりすると頭皮に負担がかかり脱毛してしまう恐れがあります。
定期的に分け目を変えることや、負担のかからないヘアスタイルを心がけましょう。
地肌が赤くなったり、かゆみがあったりする場合は脂漏性脱毛症の疑いがあります。特に夏場や梅雨の高温多湿の時期には注意が必要です。
10代~20代の女性に起こりやすい脱毛症です。頭皮にフケと脱毛が同時に起こることで知られています。かゆみや赤みが生じることもあるので前に説明した脂漏性脱毛症と間違えやすくなっています。
女性は妊娠中に女性ホルモンが多く分泌されます。しかし出産によって女性ホルモンの量が元に戻ることで、一気に脱毛が起こります。
ただこの分娩後脱毛症は半年~1年で元に戻ることが大半なのでそれほど気にする必要はありません。