薄毛治療をしたいと思う気持ちもある半面、いろいろな心配や疑問もあり、なかなか治療に踏み込めないという方も多いのではないでしょうか。
心配や疑問のひとつに、治療による副作用の有無があります。
薄毛だけでも十分精神的に辛い思いをしているのに、副作用が加わるとさらに心身共にダメージが高くなります。
できれば安心安全に治療を受けたいと思いますよね。
ここでは女性の薄毛治療の種類とその特徴、副作用についてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
薄毛治療のイメージは男性が強く、女性の治療も男性と同じと思っていませんか?
女性の薄毛治療は男性の治療よりも種類は多くありません。男性と女性では薄毛になる原因も違いますので、同じ治療では改善できないこともあります。
ですが、有効的な治療方法がないわけではありませんし、まったく違う治療が行われるということでもありません。同じ治療方法でも使う薬剤の種類や回数などに違いがある程度です。
主な治療方法としては
・投薬(内服薬、外用薬)
・メソセラピー(薬剤直接注入)
・植毛
この3つがあります。
治療の基本は投薬になります。どの病院でも受けることができる治療です。
メソセラピーについてはいくつもの種類があり、病院オリジナルのメニューとしているところも少なくありません。
そして受けられる病院の数は多くありませんが、植毛も女性の薄毛治療のひとつになります。
この3つの治療のどれを選択するかは、薄毛の進行度や原因、望む効果などにより変わってきます。
受けたい治療があっても、近くの病院では受けられない場合もありますし、本人の希望があっても専門的な視点からお勧めできない場合もあります。
医師と相談をして治療方法を決定するのが一般的です。
それでは、それぞれの治療方法の特徴と、それに伴う副作用について順番にご紹介していきます。
女性の治療薬として代表的なものに、内服薬にパントガール、外用薬にミノキシジルがあります。
男性に良く使われるフェナステリドは女性には禁忌となっているため使われません。
・パントガール
病院で処方される薬で、市販はされていません。
女性専用の治療薬で、その安全性は世界で認められています。
女性の薄毛改善に必要なアミノ酸やたんぱく質、血行を促進するビタミンB群、髪や皮膚を生成するシスチンが含まれているため、効果を実感する女性が多数。
特に女性に多い、びまん性脱毛症に効果が高いとされています。
女性のデリケートな体にやさしく働きかけるため、効果が現れるまでやや時間がかかります。十分な効果が出るまでは半年くらいは必要です。
・ミノキシジル
病院でも処方されますし、市販の育毛剤などにも含まれています。
病院で処方されるミノキシジルの方が高濃度なのが特徴です。
血行を促す作用があり、もともとは高血圧の治療に使われていた薬です。
ミノキシジルを直接頭皮に塗ることで、髪の毛を作る役割を持つ毛母細胞を活性化し、ヘアサイクルを正常化します。
さらに、血行が良くなることから、髪の生育に必要な栄養を頭皮まで十分行き渡らせることが可能になります。
どのタイプの薄毛にも効果が期待できます。
・パントガール
重篤な副作用の報告はなく、安全性の高い薬であることが証明されています。
軽いものでは、下痢、腹痛、めまい、胸やけがあります。
・ミノキシジル
外用薬副作用とし、初期脱毛と言われる現象があります。
これはヘアサイクルを整えるために必要な経過のため、新しい髪が生えてくると治まってきます。
初期脱毛以外で最も多い副作用は、頭皮の痒みです。
他には発疹、めまい、心拍が早くなる、胸の痛み、体重増加、むくみなどの症状があります。
育毛メソセラピーとは、発毛や育毛に必要な薬液を、頭皮に直接注入する治療法です。投薬治療と併用することでさらに高い効果が期待されています。
使う薬液は病院ごとに違いがあり、オリジナルの薬液を使っているところも多くあります。
その成分は、薄毛治療に効果のあるたんぱく質やアミノ酸、ビタミン類です。
治療は月に1回の注入を4~6回繰り返す必要があります。
早ければ4回の注入で効果が現れる方もいますし、多くの病院では6回を目安に考えているところが多いですね。
注入方法は注射器のようなものを使うタイプと、細い針がたくさん付いたローラーを使うタイプ、針を使わないタイプの3つがありますが、すべての病院で3タイプ扱っているわけではありません。
重篤な副作用はないとされています。
その理由は、使う薬液は成長因子や発毛と育毛に必要な栄養素がほとんどで、アレルギーの原因となる成分が含まれていないためです。
ただし病院によってはミノキシジルなど、投薬治療に使われる成分を含んでいる場合があり、その場合は薬剤の副作用が出ることがあります。
また、一時的に注入した部位が赤くなったり腫れることがありますが、すぐに改善されます。
最新の治療方法としてHARG療法があり、日本医療毛髪再生研究会の認可を受けた病院でしか受けることができません。
発毛と育毛に必要は成分を頭皮に直接注入する方法で、育毛メソセラピーと同じ様な手法ですが、大きな違いは使われるカクテル(薬剤)です。
HARG療法で使われるカクテルは脂肪幹細胞から抽出した成分を使っています。これに成長因子や栄養素が加えられています。
注入方法は育毛メソセラピーと同様に、針を使う方法と針を使わない方法があります。
治療期間は4~6回の注入が必要で、6回で行う病院が多いですが、場合によっては10回必要なこともあります。
HARG療法は男性のAGA治療のイメージが強いのですが、女性の薄毛にも高い効果が得られます。
他の治療で効果が得られなかった、治療の選択肢が少なくどれを選んだらよいかわからないという女性にもお勧めの治療方法です。
これまでの実験や治療結果において、副作用やアレルギーの報告は1例もありません。
理由は、発毛や育毛に必要な成分のみの投与で、投薬治療に使われている成分もアレルギーを引き起こす成分を一切含んでいないためと考えられています。
他の薬剤注入方法と同様に、薬液を注入した部分が一時的に赤くなることはありますが、すぐに改善されます。
薄毛治療の中でも、一番安心安全な治療方法と言っても過言ではありません。
近年では専門の病院ができるほど注目されているのが植毛です。
自分の髪の毛を使う自毛植毛と、人工の髪の毛を使う人工植毛があります。
どちらも専門医による手術が必要な治療方法です。
ピンポイントでの植毛も可能ですし、自毛植毛の場合は自分の髪の毛のため、より自然なヘアスタイルが可能になります。
以前はメスを使った植毛がほとんどでしたが、現在はメスを使わずに行うこともでき、痛みや手術に対する負担が軽減できるようになってきています。
日帰りで手術も可能ですし、投薬や薬液注入による治療と異なり、1回で治療が終えることも可能なのも特徴です。仕事や家事、育児をしながら治療する女性にも受けやすい治療です。
・自毛植毛の場合
ショックロスと言われる副作用が起こることがあります。これは植毛した周囲の髪が抜ける現象で、術後1~2ヶ月で現れることが多く、植毛した方の約20%が発症するというデータがあります。
・人工植毛の場合
人毛に似せたとはいえ、人の体には異物になります。
植毛後に頭皮の炎症を起こしたり、せっかく植毛した人工毛が抜け落ちたりする可能性があります。
・手術による副作用
麻酔を使いますので、麻酔薬によるアレルギー反応、術後の頭皮の腫れや痛み、毛髪を取った部分の皮膚の炎症などが起こる可能性があります。
手術による皮膚トラブルは1年くらいで改善されることもありますが、麻酔によるアレルギー反応がみられた場合は手術できないこともあります。
薄毛治療の副作用は、どの治療方法もそれほど高くないことがお分かりいただけたのではないでしょうか。
植毛だけは手術のため、ややリスクが高めと言っても良いかもしれませんね。
ですが、他の治療方法も副作用のリスクがゼロではありません。
今までは報告がなくても、これから出現する可能性もあるのです。
治療前と治療後の自分の健康状態をメモしておく。
こうすることで、後に何か変だなと思った時に、経過を確認することができます。
特に薬剤を変えた時、治療方法を変えた時、病院を変えた時などは、注意深く自分の症状や体調を観察するようにしてくださいね。
日記をつけるようにしても良いですね。気になったことだけではなく、効果が感じられたことも記載しておくと、長期に渡る治療へのモチベーションも保ちやすくもなります。
少しでも違和感や今までにない症状などがあった場合は、すぐに医師や薬剤師に相談しましょう。
勝手な判断で行動してさらに悪化させたりしないように、必ず専門家の指示を仰ぐようにしてくださいね。
治療をする前に、これまでに薬でアレルギー反応が出たことがある場合は医師に伝えるようにしましょう。
薬以外にも、花粉や動物、植物、食物など、アレルギーの種類はたくさんあります。それらも事前に伝えることで副作用のリスクを考慮して治療方法を考えもらいやすくなります。
女性にとって薄毛の悩みは非常に大きなものです。
薄毛は治療して改善できる時代になっています。ですが薬を使う以上、副作用を考えなくてはいけません。
安心安全に治療を受け、望む効果を得るためにも、副作用についての知識を持っている方が良いでしょう。
女性の薄毛治療には、投薬、育毛メソセラピー、植毛の3つがあります。
一番副作用の少ないのは育毛メソセラピーです。
次いで投薬、植毛となります。
治療の特徴、薄毛の原因や進行状態、副作用のリスクを考えて、自分にあった治療方法を選んでくださいね。