■経歴
1983年生まれ
2011年弘前大学医学部卒
大学卒業後、育児を経て一般内科医として勤務。公衆衛生分野にも携わり、感染症対策や健康づくりにも従事。
国立医療科学院や結核研究所での研修も積んでいる。
主な所属先
日本感染症学会
日本内科学会
日本公衆衛生学会
女性の薄毛とは
AGA(男性型脱毛症)を、1度は耳にしたことがあると思います。男性の頭頂部を中心にの毛髪が薄くなってしまい、最終的にはその部位の頭髪がなくなってしまうという病気です。では女性の場合はどうでしょうか?
実は女性にも“FAGA(女性男性型脱毛症)”という病気があります。また女性の場合はFAGAだけでなく、“びまん性脱毛症”や“分娩後脱毛症”など、さまざまな原因によって引き起こる薄毛の症状があるのです。
女性の薄毛は、年齢、ホルモンバランスの変化、頭皮のトラブルなど、さまざまな原因が絡み合っています。そのため一筋縄では解決できないことが厄介なのです。
目次
AACクリニック銀座院長浜中聡子著の「女性のための頭髪外来」によると、薄毛に悩む女性のクリニック受診者数は、2007年から2013年の間で約2.5倍に増えています。
AACクリニック銀座院長浜中聡子著の「女性のための頭髪外来」 参照
近年受診者数は右肩上がりという結果になっています。薄毛に悩む女性が増えた理由は、薄毛・抜け毛症状の女性が増加したという見方よりも、「薄毛・抜け毛の悩みを解決しよう」とする女性が増えた傾向にあるとみられています。
AACクリニック銀座院長浜中聡子著の「女性のための頭髪外来」 参照
また下は10代から上は50代以上と年齢に関わらず、受診者がいることが分かります。この傾向から年齢を問わず、薄毛・抜け毛の症状を解決したいと考えている女性が増えてきているとみられています。
女性の薄毛の症状は大きく、6つに分類できます。
症状名 | 症状の現れ方 |
---|---|
びまん性脱毛症 | 多種多様な原因から起こり、境目なく薄くなる 女性に最も多く見られる症状 |
FAGA (女性男性型脱毛症) |
主に加齢による女性ホルモン低下によって起こる |
分娩後脱毛症 | 産後の女性ホルモンバランスの乱れで起こる |
円形脱毛症 | 毛根にダメージを与える自己免疫疾患の一種 |
牽引性脱毛症 | 髪を引っ張るなどの物理的刺激で起こる |
頭皮トラブル | 脂漏性湿疹、ひこう性湿疹など |
女性の場合、特定の部位だけが薄毛になっていくよりは、頭頂部から徐々に薄毛部分が広がり、髪の分け目が透けて見えるようになって、全体的に薄くなっていく症状が多く見られます。これを”びまん性脱毛症”といい、薄毛に悩む女性の最も多い症状です。
他にも更年期前後や分娩後の女性ホルモンの低下によって目立ちやすくなるFAGAや分娩後脱毛症などあります。
このように女性の薄毛の場合、年齢や様々な体の状況、トラブルなどで症状が現れて進行していく特徴があるのです。
女性の薄毛には、さまざまな症状があるため、原因もさまざまです。考えられる主な原因をご紹介します。
男性に最も多いAGA(男性型脱毛症)は、男性ホルモンとの関係が深く、原因を突き止めやすい側面があります。しかし一方で女性の場合、原因は人ごとに異なっています。
ただし、「頭皮の血流の低下」「ホルモンバランスの乱れ」この2点は、薄毛症状の見られる女性の多くに共通しています。
女性には、体や心に変化を及ぼすさまざまなライフイベント(初潮、妊娠、出産、更年期、閉経)が起こります。それらのライフイベントに加え、学業、仕事、家庭内問題など、環境の変化によるストレスも大きく影響します。他にも生活習慣の乱れや病気、薬の副作用など考えられるだけでもさまざまな原因があるのです。
そのため原因のパターンは、薄毛・抜け毛に悩む女性の数だけ、あるといっても過言ではないのです。
症状に種類があり、原因が複雑だということが理解できても、すぐに「頭髪専門クリニック」を受診するのは、気をくれしてしまう女性もいると思います。そこで女性の薄毛対策、ファーストケアをご紹介します。
まず女性の薄毛対策で多くの方が行うのが、市販の育毛女性用シャンプー、育毛剤を使用するという方法です。自宅で、手軽に始めれられることから、挑戦しやすくなっています。また近年では女性用の市販の育毛シャンプーや育毛剤の種類も増えてきました。
女性用育毛シャンプーや育毛剤のより高い効果を期待するために頭皮マッサージを行う方も多いです。頭皮マッサージで頭皮の血流を促し、血行を促進させる効果があります。ただし、毎日コツコツと続けなければなりません。そして、間違えた方法でマッサージを続けると、頭皮を傷つけてかえって薄毛を悪化させることがありますので、必ず正しい方法で行いましょう。
時にはスタイリングでボリューム感を出して、対処する場合もあるでしょう。しかし進行を食い止めることにはならない方法です。また、髪が薄くなった部分のみを重点的にブローすることで、牽引性脱毛症を引き超すことがあります。
ヘアカラー剤やパーマ剤の刺激から頭皮を守るため、控えるという方も多いです。しかし、オシャレのためだけであれば控えられても、白髪染めを控えるのは難しいですよね。
実は、頭髪の専門家によっては、薄毛治療中のヘアカラーやパーマを禁止しないこともあります。確かにヘアカラーやパーマのしすぎは、髪にダメージを与えますが、頻繁でなければ直接薄毛の原因となるわけではないという見方もあります。
一般の皮膚科を訪れる方も多いです。一般病院への受診は気をくれしない、受診しやすいというメリットがあります。しかしより踏み込んだ治療や、薄毛専門の治療ができないというデメリットもあります。
このように、まずはファーストケアで対処することもできます。しかしファーストケアはあくまでも対処療法。もちろん何もしないよりはおススメできますが、根本的な原因が解決するわけではありません。そのため、対処療法では限界があることも知っておきましょう。
薄毛はできるだけ早く進行を止めたいですよね。さらにできれば現状を改善したいと思います。もしあなたが対処療法を行っても、あまり満足できる結果が得られなかったのであれば、頭髪専門のクリニックに相談に行くという方法もあります。
頭髪専門クリニックは相談だけであれば無料で行ってくれる所もあります。近年では女性の薄毛の専門クリニックも増えてきて受診しやすくなっています。薄毛に悩んでさらにストレスを抱えてしまう前に、専門家に相談してみるというのも1つの方法です。