女性にとって薄毛や抜け毛は大きな悩みになりますよね。ある日気づいたら10円玉サイズくらいに髪の毛がごっそり抜けていた…
それは円形脱毛症と呼ばれる病気かもしれません。円形脱毛症は性別や年齢問わず誰でも発症する病気で、その中でも特に女性がかかることが多いのです。
急に気づいたらびっくりするし心配しますよね。
でもしっかりとした処置をとれば改善することもできますので安心してください。もしこういった病気は症状が出始めたらすぐにでも対策を取らないと、取り返しのつかないことになってしまうので早期の対策が肝心です。
今回の記事ではそんな女性の円形脱毛症に焦点を当てて、原因や対策、治し方をご紹介します。
円形脱毛症とは円形や楕円形に髪の毛が抜け落ちる病気です。何の前触れもなく突然発症する病気で、その原因は強い精神的なストレスによるものとされています。性別や年齢問わず、日本の人口の1~2%が発症している病気。
急激なスピードで抜け落ちることから自分では気づかずに美容院で指摘されて気づくというケースが多いようですね。1番軽い単発型だと約1年で80%が自然に治るというデータもありますので必要以上に心配する必要もありません。
ただし多発型や慢性型脱毛症といって症状が眉毛や全身の毛まで広がることもあるので注意が必要です。
不安な方はすぐにでも皮膚科を受診することをおすすめします。
女性の円形脱毛症の原因になるのは主に5つあります。
円形脱毛症の原因の1つとして最も有力視されているのが自己免疫疾患。本来であれば外敵を駆除するために持っている自分の免疫機能が、自分自身に対して向けられてしまうことです。要するに自己免疫が発毛細胞を攻撃してしまって細胞が破壊されてしまうのです。
長期的なストレスがかかり続けると、副交感神経やホルモンに悪影響を及ぼします。その結果として、頭皮の血行が悪くなり毛根まで十分な栄養が届かなくなり、ハゲる原因にも。またストレスは免疫機能やホルモンとの関係もあるため、様々な要因を誘致してしまいます。
アトピー性皮膚炎の患者は円形脱毛症になりやすいです。円形脱毛症を発症している4人に1人がアトピー性皮膚炎の患者のため関係性は深いと言えます。
妊娠中と出産後を比較すると女性ホルモンの量は大きく変わります。妊娠中は通常の100倍ほどのホルモン量になります。女性ホルモンには発毛を促進する効果もあり、ホルモンが一気に少なくなったことで、ホルモンバランスが崩れて出産後は抜け毛が多くなります。通常の抜け毛なら問題ありませんが、この時に生活の変化などによるストレスから円形脱毛症にかかってしまうことも。
円形脱毛症が発症しやすい体質は遺伝しやすいこともあります。中国で行われたデータによると円形脱毛症が発症した約8%は家族に同じ病気を抱えている人がいます。同じ病気になりやすいということだけを知っておいて、生活習慣を見直す、ストレスを抱え込まないようにする、などの予防をしておきましょう。
女性がかかる脱毛症の種類は円形脱毛症も含め計5つあります。
こちらは薄毛や抜け毛で悩むほとんどの人に当たる症状。男性型脱毛症と同じように男性ホルモンが原因で発症してしまう症状。中年以降の女性によくみられる症状で原因はストレスや生活習慣などが挙げられます。原因さえ取り除けば症状は治ることが多いとされています。
日頃からポニーテールにしていたり、いつも同じ分け目にしていたりすると、頭皮に大きな負担がかかり、抜け毛や薄毛の原因になることがあります。
妊娠から出産で大きくホルモンバランスが崩れて抜け毛が多くなります。ほとんどの場合は半年から1年間で元に戻ります。
こちらはフケが原因で起こる脱毛症で、毛穴のつまりのせいで髪の成長が止まり、脱毛してしまいます。
皮脂が過剰に分泌することで起こる脱毛症で、その皮脂が毛穴に詰まってしまうことが脱毛の原因となります。
円形脱毛症と一言でいっても、実はいくつかの種類があります。軽度のものから重度のものまであり、その種類を把握しておくことで少しは不安を和らげることもできます。
一か所に円形または楕円形で、10円玉くらいのサイズが脱毛します。「10円ハゲ」といわれることもありますね。円形脱毛症の80%が主にこの単発型に当てはまり、3カ月から半年で再び生え始めることがほとんど。場所的には後頭部らへんにできることが多く、自分では気づかないことが多くあります。もしも半年以上生えてこなかったら皮膚科を受診しましょう。次に説明する「多発型円形脱毛症」や「全頭脱毛症」へと悪化してしまう恐れがあるからです。
先ほどの単発型が悪化してしまうと、多発型になってしまうことがあります。10円サイズのハゲが数か所できます。最初の箇所が生えてきたと思ったら違う箇所が脱毛してきたり、一度に複数の箇所が抜け落ちます。
全頭脱毛症は読んで字のごとく頭部全体の髪の毛が抜け落ちてしまいます。女性にとっては特に髪の毛が無くなることはショックだと思いますが、侵攻を食い止めるためにもすぐに治療をしてください。治療にも1年以上かかることが多いです。複数箇所10円ハゲができたら迷わずに皮膚科を受診しましょう。
この凡発型脱毛症が円形脱毛症の究極系とも言えます。症状としては頭部だけではなく、眉毛やまつ毛、体毛などのあらゆる毛が抜け落ちてしまいます。ここまでくると治すのには1年~数年間かかるため、できれば初期の段階で医者に診てもらいましょう。そうすれば早期で解決する確率がかなり高まります。
こちらは亜種といった感じで、円形に脱毛していくことがないので一見すると円形脱毛症ではないと勘違いされやすいです。場所は生え際にできることが多く、後頭部から側頭部の生え際に沿って広がることが多くなっています。珍しい種類のため治すのには長期の治療が必要になるケースが多いのが特徴。治療には数年ほどかかることがあります。
円形脱毛症には急になることがあるため予防するには常日頃から気を付けておかなければいけません。
どれも健康的に生きる上では欠かせないことですね。バランスのいい食事をとって生活習慣を改善することを気を付けます。医学的には円形脱毛症に良いとされる食べ物は証明されていませんが、納豆や海藻類などの亜鉛やミネラルを含む物を食べて、髪の毛の成長を促すようにしましょう。
他にも睡眠不足や過度なダイエットも禁物です。生活リズムが崩れてしまうと大きなストレスになってしまうこともあるので、無理はしないでください。
正しい髪の洗い方としては1分くらいかけて丁寧に皮膚と髪の毛をお湯で流します。指の腹をつかって優しく頭皮に水分を行き届けます。アトピー性皮膚炎を持っている方は刺激が強いシャンプーを使うと、アレルギー反応を起こすことがあります。シャンプーを選ぶ際は低刺激のシャンプーを選びしっかりとシャンプーを流し切りましょう。
円形脱毛症を医療機関で治療する時にはいくつかの種類があります。これから主な手段4つを見ていきます。
ステロイドとは炎症や免疫機能を抑えることができる薬で頭部に注射で注入します。症状が改善しない場合の単発型や多発型円形脱毛症の時に行う方法です。またこの注射は成人のみに行うことができて、子供はステロイドの副作用から成長障害を起こす恐れがあるため受けることはできません。
また注意点としては、激しい痛みを伴うことがあることと、注射した箇所が陥没する恐れがあることです。
人工的にかぶれを起こす薬品を使って発毛を促す治療法。特徴としては子供にも使うことが出来て、脱毛の範囲の広い方が対象になる場合が多いです。かぶれやじんましんといった副作用が出る場合もあるので注意が必要。治療期間は半年から1年になっているので、長期で取り組む必要があります。
この治療法の有効率は60%以上とされていますが、日本では保険適応の認可が下りていないため、自費での治療になってしまいます。
液体窒素やドライアイスを冷却部分に当て、誤って自分に向けられた免疫機能の活動を停止させて、毛根の成長を再生させる目的です。治療方法はドライアイスを直接患部に当てたり、液体窒素を脱脂綿や綿棒につけて押し当てるか、液体窒素のスプレーをかけます。
軽い痛みが伴うこともありますが、副作用もなく安全な治療方法です。
紫外線治療とはPUVA治療法、エキシマレーザー療法、ナローバンド治療法があります。先ほどの冷却地医療と同様に免疫機能の活動を停止させることができ、脱毛がまだ少ないときに有効。数か月に渡る治療が必要で、副作用としては肌の炎症からくるかゆみやヒリヒリがあることもあります。
今回は女性や子供が特になりやすい円形脱毛症について書きました。円形脱毛症の治療には早期の治療が重要です。80%ほどは自然に治ることもありますが、症状が重くなってしまうと長期の治療が必要になってしまいます。
不安を抱えたままだとそれがストレスに感じて悪影響になりかねないので、一度皮膚科に行ってみることをおすすめします。医者のアドバイス通りに治療をしていけば、期間に差はあれども治ることがほとんどなので、精神的にも楽になります。
頭皮や精神にも十分なケアを心がけていってください。